ThinkPad+ADSLでホームサーバー in London

2.サーバー構築可能性の検討

 手持ちの機種構成で本当にサーバー構築可能だろうか、先人のサイトを閲覧しどんな機種で構築しているのか、どんなアプリケーションが必要なのか、現在使っているOS:Windows2000用はあるのだろうか、どのような接続環境なのだろうか、機器類以外に追加費用はどの程度かかるのだろうか、などを視点に可能性を検討した。また、ここは英国、日本とでは相違点があるかも検討した。

1)機種とOS

 使っている機種はIBMのThinkPad A22m 2628S-2J(2001年5月購入)、PIII900MHz、HDDは20GB、メモリーは320MB、OSはWindows2000。この程度の機種構成では十分サーバー構築が可能だと判断した。
 

2)各サーバーアプリケーションなど

 幸いにもWindows2000用にサーバー関係アプリケーションが各種用意され、且つそれらはほとんどがオープンソースかフリーだ。

httpサーバー(WWWサーバー)

 UnixやLinuxのwebサーバーとして知られているApacheがWindows用も用意しているので、これを使ってみることにした。MSからはIISというwebサーバーが用意されているが、Linuxサーバーを考えできるだけコンパーチブルなのを選定した。


ダイナミックDNSサービス

 DNSサーバーにドメイン名(ホスト名)を登録するサービスで、ドメイン名に対するIPアドレスを自由に変更できる。つまり、動的に割り当てられるIPアドレスをドメイン名に結びつけることができる。

 USAには無料でこのサービスを実施している団体や企業が多い。これには全く驚いた。英国とも日本とも違う、米国の風土なのだろうか。それゆえに、どんどんとインターネットが進んでいくような気がする。

 さて、私がお世話になったのはHammer NodeというダイナミックDNSサービス、そして、ダイナミックDNSと独自ドメイン名を繋ぐサービスを提供するorgだ。サイトはhttp://hn.org/です。

 この他にも多くのサービスが提供されていますので下記リストや評価サイトを参照して下さい。

ダイナミックDNSサービス情報



IPアドレス自動更新ソフト

 これがないと接続ごとにそのIPをダイナミックDNSサービスへ登録しなくてはならない。そこでHammer Nodeに紹介されていたIPアドレス自動更新ソフトのうちの一つ、DynSite for Windowsを使うことにした。しかし、これはシェアウエアなので30日間の試用期間後、登録にはUSD15の支払いが生じる。

 もう一つ紹介されいているIP自動更新ソフトがNet Cruiserです。これは試していないので内容は不明。

その他のIPアドレス自動更新無料ソフト
DiCE Dynamic DNS Cliant



3)英国のADSL接続環境


 ADSLはBT Broadbandを利用している(2003年8月現在)。論理接続速度は576kbps、これが英国の標準のようだ。ちなみに料金は一ヶ月29.99ポンド(約6000円)と接続速度に比較して非常に高い設定となっている。モデムは自前で用意するかBTから購入する。その場合、USB対応モデムがプロモーション価格で50ポンドであった。ルーター付きは100ポンドを超える(英国ではPC機器類は高い)。さらに、最低契約期間が12ヶ月と非常に厳しい契約内容となっている。

 IPアドレスはダイナミックDNS一つが割り当てられる。したがって、DNSサービスとダイナミックDNS解決を自動で更新するアプリケーションが必要であった。

 英国のブロードバンド事情は、http://www.adslguide.org.uk/を参照されたい。情報量は多い。


4)サーバー構築における日本と英国の相違点

 何か相違点があるかと思ったがインターネットの世界は共通のようです。あえて相違点をということであればADSLの速度がかなり遅いということ。一般的な接続速度は512kbsと数年前に日本でADSLサービスが始まったときが1.5MBbpsだったから、その3分の1ということになる。

 英国は2003年の半ばにもかかわらずなぜゆえこの速度が一般的なのかは不明。大学のPCの普及を見てもかなり遅れている印象を受けた。大学の専用線接続でさえ実質400kbps程度である。私の利用している BT Broadbandは576kbps(論理値)であるが実質は250-300kbs程度。これでも充分実用の範囲なのだ。

 余談だが、以前マニラで仕事をしたときにADSLは256kbps接続だったから差ほど変わらない。接続速度という点だけ見れば英国はかなり後進国である。しかし、コンテンツは日本のそれよりかなり充実している。特に、大学にいたせいもあるが、文献検索、地図、地域情報などデータベースが非常に充実している。日本で同様なサービスはこれまで目にしていない。

 結論としてはサーバー構築に関して接続速度はあまり影響しないので日本と英国とでは構築環境は共通と考えて問題ないということになる。


番外1:英国におけるPC機器類の購入について

 英国は日本と比較するとPC機器類の価格は非常に高く、量販店(PC World)でも、なかなか手が出ない価格設定となっている。今回は特に新規に購入するものはなかったが、別の機会に消耗品や周辺機器を購入した経験からいうと、オンラインショップが比較的値段が安く、在庫も取り揃えている。

 ショップの選び方は、広告がたくさん掲載されていそうなパソコン雑誌を買ってそこで値段を比較してwebサイトを確認する方法を取った。データベースが充実しているサイトも多い。支払いはクレジットカードまたはデビットカードが必要となる。

番外2:ロンドンのパソコン街

 ロンドンで私が知っているパソコン店が集まっている通りは、地下鉄セントラル線トッテンハム・コートロード駅から北へ伸びるトッテンハム・コートロード沿い、ビクトリア線及びノーザン線Warren Street駅までに多い。Warren Street手前、Sainsbury(スーパーマーケット)の隣には量販店であるPC Worldがある。この通りはパソコン店の他に電化製品店も多い。


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